「170cmないと、そもそも土俵に上がれないんじゃないですか」
身長の話は、婚活を始めようとする男性が最初につまずくところの一つです。生まれ持ったもので、努力ではどうにもならない。だから余計に重くのしかかります。
私自身、164cmです。 以前はシークレットインソールを入れていた時期もあります。この記事に出てくる数字は、私にとっても他人事ではありません。
この疑問には、はっきりした答えがあります。IBJ結婚みらい研究所が公表している成婚白書に、身長を2cm刻みで区切った成婚率のデータがあるからです。2025年に成婚退会した19,112名を含む、IBJの会員データの集計です。感覚論ではなく、実際に活動した人の結果から出た数字になります。
結論から書きます。「170cmの壁」は、データ上は存在しませんでした。 境界線は別の場所にありました。そして、その差も条件次第でほとんど消えます。
この記事では、男性専門の結婚相談所として、そのデータの中身と、身長を気にしている方が実際に何をすればいいのかをお話しします。変えられないことで悩む時間を、変えられることに使ってほしいからです。
成婚率が上がる境界線は162cmと172cmで、170cmには段差がありません。むしろ170cm(34.3%)は168cm(34.5%)とほぼ同じです。さらに年収850万円以上の層では160cm以下でも41.8%となり、身長による差はほぼ消えます。身長で決まっている部分は、多くの男性が思っているより小さい。変わるのは、見え方の作り方と行動量のほうです。
その前に:成婚率の全体像を先に押さえる
数字を読む前に、比べる基準を持っておいてください。
IBJで活動した男性の成婚率は、全体の平均で34.6%です。3人に1人強が成婚して退会している計算になります。この記事に出てくる数字は、すべてこの34.6%の周辺で動きます。「身長が低いと成婚率が半分になる」といった話ではありません。
もう一つ。成婚率は「その属性の人が成婚できるかどうか」を決める確率ではありません。同じ160cm台でも、動いた人と動かなかった人では結果がまるで違います。データは傾向を示すだけで、個人の結末を決めません。ここを取り違えると、数字を見るほど動けなくなります。
1. 身長2cm刻みの成婚率は、こうなっていた
まず実際の数字です。
| 身長 | 成婚率 |
|---|---|
| 160cm以下 | 27.6% |
| 162cm | 32.3% |
| 164cm | 33.1% |
| 166cm | 33.2% |
| 168cm | 34.5% |
| 170cm | 34.3% |
| 172cm | 37.4% |
| 174cm以上 | 36.4% |
170cmのところを見てください。34.3%です。その一つ下の168cmが34.5%ですから、170cmを超えた瞬間に何かが起きるという構造にはなっていません。 わずかですが、170cmのほうが低いくらいです。
婚活の世界で語られ続けてきた「170cmの壁」は、少なくともこのデータの中には見当たりませんでした。
2. 本当の境界線は、162cmと172cmにあった
では段差がどこにあるかというと、2か所です。
第1の境界=162cm。 160cm以下の27.6%から162cmの32.3%へ、4.7%上がります。身長による段差の中では、これが最も大きい差です。
第2の境界=172cm。 170cmの34.3%から172cmの37.4%へ、3.1%。ここでもう一段上がります。
そして、172cmを超えたあとは伸びません。174cm以上は36.4%で、172cmより下がっています。「高ければ高いほど有利」も、データ上は成立していません。
つまり164cm〜170cmのゾーンは、33〜34%台でほぼ横並びです。この帯にいる男性が「あと数センチあれば」と考えるのは、データの読み方としては正確ではありません。その数センチには、成婚率の差がほとんど乗っていません。
3. 年収を重ねると、身長の差はほぼ消える
同じ白書には、身長と年収を掛け合わせた集計もあります。ここが最も示唆に富んでいます。
| 年収 | 160cm以下 | 162〜170cm | 172cm以上 |
|---|---|---|---|
| 450万円以下 | 10.7% | 21.4% | 23.6% |
| 550〜750万円 | 33.1% | 38.9% | 41.3% |
| 850万円以上 | 41.8% | 44.9% | 43.9% |
いちばん下の行を見てください。年収850万円以上の層では、160cm以下が41.8%、172cm以上が43.9%。その差は2.1%しかありません。 しかも162〜170cmの44.9%が最も高く、順序すら入れ替わっています。
一方、いちばん上の行では160cm以下が10.7%、172cm以上が23.6%と2倍以上の開きがあります。同じ160cm以下でも、年収450万円以下の10.7%と年収850万円以上の41.8%では約4倍。 身長が同じでも、これだけ違います。
ここから読み取れることを、誤解のないように書きます。
「稼げば身長は関係ない」という話ではありません。 年収も、明日変えられるものではないからです。この表が本当に示しているのは、成婚率は身長という一つの要素だけで決まっていない、ということです。身長の段差は、他の条件を重ねただけで簡単に順序が入れ替わる程度のものでした。
ちなみに男性の年収別成婚率は600万円台(43.1%)でほぼ頭打ちになり、1,000万円以上(43.6%)でも大きくは伸びません。どの数字も、どこかで頭打ちになります。 一つの数字を上げ切れば勝てる、という構造にはなっていないということです。
4. 「これくらい身長差がないと」という帯は存在しない
成婚したカップルの身長差についても数字が出ています。最も多いのが13〜14cm差で11.0%、次いで11〜12cm差が10.9%。9〜16cmの範囲に42.3%が集まっています。
ここで注目してほしいのは残りです。成婚カップルの6割近くは、その範囲の外側にいます。 差が9cm未満の組も、16cmを超える組も、それぞれ相当数あるということです。
婚活を始めたばかりの男性が「女性は自分より15cm高い男性を求めている」と考えてしまうことがありますが、データはそこまで言っていません。最多の帯が一つあるだけで、外れたら成婚できないという線は引かれていません。
5. 変えられないものより、見え方を変える
ここからが実務の話です。身長そのものは変えられません。しかし身長がどう見えるかは、かなりの部分が変えられます。
姿勢。 これが最も効きます。猫背の170cmと、背筋の伸びた166cm。写真でも実物でも、後者のほうが背が高く見えることがあります。同じ体格でも、姿勢が悪いと「小さくて丸い人」に寄り、姿勢が良いと「引き締まった人」に寄ります。壁に後頭部・肩甲骨・かかとをつけて立ち、その感覚を覚える。今日から無料でできます。自分の姿勢は自分では分からないので、スマホを立てかけて全身を動画で撮ってみてください。想像とのずれに驚くはずです。
服のサイズ。 大きすぎる服は、それだけで身長を削ります。肩の縫い目が肩先より外に落ちている、袖が手の甲にかかっている、パンツの裾がくしゃっとたまっている。この3つがあると、実寸より小さく見えます。逆にジャストサイズのセットアップを着るだけで、縦のラインが出て背が高く見えます。 スーツ店で採寸してもらい、裾はハーフクッションに直す。これだけで印象が変わります。
縦のラインを作る。 ジャケットの前を開けて縦の線を見せる、上下を同系色でまとめる、パンツと靴の色をつなげる。視線が縦に流れると、背は高く見えます。逆に、上下で色を大きく分断すると、そこで視線が切れて低く見えます。
足元。 かかとに厚みのあるスニーカーを選ぶだけで、数センチは変わります。オールホワイトの無地スニーカーはお見合いでも使えますし、ソールに厚みのあるモデルなら自然に身長が出ます。
体型と姿勢の整え方は「体型は最強の武器になる」の記事に詳しく書きました。あわせて読んでみてください。
6. 婚活写真は、撮り方で身長の印象が変わる
見落とされがちですが、写真は身長の印象を大きく左右します。お見合いを申し込むかどうかを相手が判断する材料は、まず写真だからです。
カメラの位置が高いと、上から見下ろす画になって背が低く見えます。 逆に、カメラを胸の高さあたりに置いて撮ると、自然な見え方になります。友人にスマホで撮ってもらうと、たいてい相手の目線の高さから撮られるので、身長が高い人に撮ってもらうほど不利になります。
当所が会員様におすすめしているのは、写真スタジオでの撮影です。当所は写真スタジオと提携していて、ヘアセットとハーフメイクまで込みで撮っていただけます。撮影に慣れたカメラマンなら、体格に合わせて立ち位置やカメラの高さを調整してもらえます。 姿勢も、その場で見てもらえる。自分では気づけない部分を撮る側が直してくれるというのが、スタジオの最大の利点です。
服装は、ネイビーのジャケットに白のTシャツが当所のおすすめです。縦のラインが出て、上半身が引き締まって見えます。ジャケットの前を開けて縦の線を見せると、写真の中でも背は高く見えます。 なお、IBJではメイン写真が最大2枚、プライベート写真が最大3枚の合計5枚まで登録できます。
撮影の準備については「婚活写真で第一印象を変える5つの具体策」の記事にまとめてあります。
7. 数%の差は、行動量で軽く埋まる
もう一つ、押さえておきたい数字があります。
同じ成婚白書によると、成婚した人としなかった人ではお見合いの回数が11回と4回で約2.7倍違いました。活動期間も、成婚した人のほうが約2.6か月短い。つまり早く多く会った人が、早く決まっています。
お見合い回数と成婚率の関係も出ています。1回では14.2%、3回で26.9%、5回で37.5%、10回で43.5%、12回で45.8%。5回会うか10回会うかだけで、6%動きます。
先ほどの表に戻ると、162cmと172cmの差は5.1%です。身長の段差は、お見合いを数回多く組むだけで埋まる大きさです。 これは「身長は関係ない」という慰めではなく、単純な数字の比較です。
身長を気にして申し込みを控える。断られるのが怖くて数を絞る。この2つが、身長そのものよりはるかに大きく成婚率を下げます。断られることへの向き合い方は「断られるのが怖い人へ」の記事にまとめています。
8. プロフィールで身長をどう扱うか
最後に実務的な話を一つ。
結婚相談所では、身長は最初からプロフィールに数字で載っています。 マッチングアプリのように、会ってから「思ったより小さい」と言われることはありません。身長を理由に会わない女性は、そもそもお見合いを受けません。
これは相談所で活動する大きな利点です。お見合いが成立した時点で、相手はあなたの身長を見たうえで会うと決めています。 当日その話題を持ち出して先回りで謝る必要はまったくありません。
一つだけ気をつけたいのは、身長を盛らないことです。数センチ盛っても当日会えば分かりますし、会って最初に感じるのが「話と違う」では、そこから挽回するのは難しくなります。 正確に書いてください。数字を正しく書いたうえで通ったお見合いのほうが、その先の話が早いです。
ありがちな失敗、心当たりありませんか
身長で悩む方に多いのは、次のような動き方です。
- 身長が低いからと、申し込む相手を最初から絞ってしまう
- 自分より背の高い女性を、条件から一律で外している
- お見合いの冒頭で「背が低くてすみません」と自分から謝る
- プロフィールの身長を数センチ盛る
- 猫背のまま、服だけ買い替えている
- 大きめのサイズを選んで、体格を隠そうとしている
- 「身長で決まるなら仕方ない」と、活動そのものを先送りにする
最後の一つが、いちばん結果に響きます。動かなかった人の成婚率は、身長にかかわらず0%です。
最後に
データを一通り並べてきましたが、いちばん伝えたいのはここです。
170cmという線は、多くの男性の頭の中にはありましたが、成婚データの中にはありませんでした。実際の境界は別の場所にあり、その段差も他の条件を重ねると簡単に消えます。身長で決まっている部分は、思われているよりずっと小さいというのが、数字を素直に読んだ結論です。
身長は、この先も1mmも変わりません。ただ、姿勢も、服のサイズも、写真の撮り方も、申し込みの数も、今週から変えられます。変えられないものを1つ抱えているだけで、残りが全部止まってしまうのはもったいない。
当所では、これから婚活を始める方も、他社で活動していて見直したい方も、無料相談でお話を伺っています。何が本当に足を引っ張っているのか、どこから手を入れると変わるのか。伺えば具体的にお伝えできます。
身長を気にして止まっている時間が、いちばんもったいないです。
よくある質問
Q. 「170cmの壁」は、まったくの嘘なのですか。
A. 嘘というより、境界の場所が違っていました。IBJ結婚みらい研究所の成婚白書では170cmが34.3%、168cmが34.5%とほぼ同じで、そこに段差はありません。実際に成婚率が上がるのは162cmと172cmの2か所でした。
Q. 160cm台前半だと、やはり厳しいのでしょうか。
A. 160cm以下は27.6%で、全体平均の34.6%より低いのは事実です。ただし年収850万円以上の層では160cm以下でも41.8%まで上がります。身長という一つの要素だけで結果が決まっていないことは、この数字がはっきり示しています。
Q. 自分より背の高い女性は、避けたほうがいいですか。
A. 一律に外す必要はありません。成婚カップルの身長差は9〜16cmに42.3%が集まってはいますが、残りの6割近くはその外側です。「これくらい差がないと成婚しない」という線は引かれていません。相手が受けてくれるかどうかは、申し込んでみないと分かりません。
Q. お見合いの席で、身長の話に触れたほうがいいですか。
A. 触れる必要はありません。結婚相談所では身長がプロフィールに数字で載っていて、相手はそれを見たうえでお見合いを受けています。冒頭で謝ると、かえって相手が反応に困ります。
Q. シークレットインソールは使ってもいいですか。
A. 数センチ程度で、歩き方が不自然にならない範囲なら問題ありません。私も以前は入れていました。ただし高さを入れすぎると、かかとが持ち上がって姿勢が崩れます。そうなると、稼いだ数センチ以上のものを失います。結局のところ、姿勢を整えてサイズの合った服を着るほうが、確実に効きます。
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