お見合いが面接になっている男性へ|自己開示してから質問する

お見合い・交際

「お仕事は忙しいですか」「休日は何をされていますか」「ご家族は近くにお住まいですか」

どれも、お見合いでよく出る質問です。ひとつずつなら、失礼でもありません。それなのに、こうした質問を続けた側は「面接みたいだった」という印象を残すことがあります。真面目に会話をしようとした人ほど、この落とし穴にはまる。

会話の記事は、このブログで3本目になります。質問の作り方とプロフィールの読み込み相手の答えの受け方はそれぞれ別の記事に書いたので、この記事はひとつのことだけを扱います。質問を出す「順番」です。準備も受け答えもできているのに面接になってしまう人は、ここでつまずいている方は少なくありません。

この記事の要点
お見合いが面接のようになる原因は、質問の内容ではなく、自分の情報を出さないまま質問を重ねることです。答える側だけが自分をさらし続けるので、丁寧に聞くほど「評価されている」感覚が積もります。とくに、仕事で質問する側に立っている男性ほどこの型が出ます。直し方は、「私は◯◯なんですが、◯◯さんは?」と一文だけ先に出してから聞くこと。逆に、質問をほとんどしないのも「興味がない」と受け取られます。この記事では、お見合いの1時間でこの型をどう使うかまで書きます。

1. 面接と会話を分けるのは、情報が流れる向き

面接と会話の違いは、質問の中身ではありません。情報が流れる向きです。

面接では、情報が一方向に流れます。聞く側は自分のことを話さず、答える側だけが自分をさらしていく。質問がどれだけ丁寧でも、この向きが続くかぎり、答える側には「評価されている」という感覚が積み上がります。

お見合いで同じことが起きます。「休みの日は何を?」と聞かれて「読書ですね」と答える。すかさず「どんな本を?」と来る。答えると「他には?」と続く。質問は礼儀正しいのに、相手は自分のことを次々に話し続けていて、こちらのことは何も伝わっていない。この状態を相手の側から言葉にすると、「面接みたい」になります。

真面目な方ほどこうなるのには、理由があります。「自分の話ばかりする男はだめだ」という知識があるからです。それ自体は正しい。ただ、その反動で自分の話をゼロにすると、今度は逆の失敗に落ちます。質問をほとんどしない静かなお見合いは、相手に「私に興味がないんだな」と伝わる。質問は尋問の道具にもなりますが、関心の証拠でもあります。ゼロにすれば、関心の証拠もゼロになる。

つまり、自分の話はしすぎても、しなさすぎてもいけない。求められているのは量の調整ではなく、出す順番です。

2. 仕事で質問する側にいる人ほど、この型にはまる

もうひとつ、先にお伝えしたいことがあります。面接化は「会話が苦手な人」の失敗ではない、ということです。

むしろ出やすいのは、仕事で質問する側に立っている人です。営業のヒアリング。部下との一対一の面談。打ち合わせでの要件確認。医療や士業の問診・相談対応。こうした仕事では、自分のことを話さず、相手から的確に聞き出すことが職業上の礼儀です。自分語りを挟まずに要点を聞き切る技術は、キャリアの中で磨かれ、身体に入っています。

その礼儀を、そのままお見合いに持ち込むとどうなるか。的確で、無駄がなく、失礼のない「ヒアリング」が完成します。仕事なら満点の振る舞いが、この場では一方通行の尋問として届く。

自分がこの型に入っているかどうかは、当日のサインで分かります。相手の答えを聞きながら、頭の中で次の質問を組み立てている。会話が途切れないよう、手持ちの質問の残数を数えている。相手の話を「情報」として整理し始めている。どれも仕事では正しい動きで、そして、どれも面接の動きです。

だからこれは、能力の問題ではありません。場面の切り替えの問題です。仕事のできる人ほど陥りやすく、そして本人は「ちゃんと聞けた」という手応えすら持って帰ってくる。お見合いの結果と自己評価がずれ続けている方は、一度ここを疑ってみてください。

3. 直し方は一文の先出し

やることはひとつだけです。質問の前に、自分のことを一文だけ先に話す。

  • 「休日は何をされていますか」→「休みの日は映画を観ていることが多いんですが、◯◯さんは何をされてますか」
  • 「お酒は飲まれますか」→「私はビールを少し飲むくらいなんですが、◯◯さんは飲まれますか」
  • 「ご兄弟はいますか」→「私は姉がいて、昔から頭が上がらないんです。◯◯さんはご兄弟いますか」

聞いている内容は同じです。変わったのは、自分のことを一言先に話したことだけ。

これで2つのことが起きます。まず、相手は答える基準をもらえます。「ビールを少し」と先に言われれば、「私はほとんど飲まなくて」と返しやすい。基準のない「お酒は飲まれますか」は、実は答えにくい質問です。どのくらい正直に言うべきか、相手の期待が見えないからです。

次に、話す量が釣り合います。こちらが一言話して、相手からも一言もらう。この往復が続くかぎり、どれだけ質問しても面接にはなりません。

同じ2分間が、順番でどう変わるか。並べてみます。

変える前。「休日は何を?」「読書です」「どんな本を読まれるんですか」「ミステリーが多いです」「他には何か」と続きます。2往復と質問1つで、相手の情報は2枚出て、こちらの情報はゼロです。

変えた後。「休みの日は映画を観ていることが多いんですが、◯◯さんは何をされてますか」「私は読書が多いですね」「いいですね。私は活字だと眠くなってしまって。どんな本を読まれるんですか」「ミステリーが多いです」と返ってきます。同じ2往復でも、こちらのことも2つ伝わっています。相手から「映画は何を観るんですか」と聞き返される足場もできている。

先出しは、一文で十分です。三文以上話すと、今度は自分語りに寄っていきます。一文話して、聞く。この繰り返しがいちばん安定します。

最初の一言から使えます。席について最初に話すこととして使いやすいのは、いまの自分の状態です。「今日は少し緊張しています。」これも立派な自己開示で、相手もたいてい同じ状態なので、「私もです」と最初の往復が成立します。かっこいい入口を探す必要はありません。

なお、答えをもらったあとの受け方(共感の一言を置いてから続ける)は、「『そうなんですね』で会話が終わる男性へ」の記事に型をまとめてあります。出す順番(この記事)と受け方(あちらの記事)で、会話の往復は前後がそろいます。

4. プロフィールを、1時間の設計図に変える

相談所のお見合いには、アプリの初対面と決定的に違う条件があります。会う前に、お互いのプロフィールを読めていることです。この条件を使い切れるかどうかで、1時間の中身が変わります。

質問を前日に用意しておくこと自体は、むしろおすすめしています(「婚活デート会話の型」の記事でも、3つ用意する形を書きました)。面接に近づくのは、用意した質問を上から順に消化しようとしたときです。リストは保険であって、進行表ではありません。

おすすめの使い方は、プロフィールから自分と重なる点を2〜3個拾っておくことです。旅行が好きと書いてあって、自分も昨年どこかへ行ったなら、それがそのまま最初の一言になります。

「プロフィールに旅行がお好きと書かれていましたよね。私も去年、金沢に行ったんですが、◯◯さんは最近どちらに行かれました?」 読んできたことが伝わり、先出しが入り、質問で終わる。この一文に、この記事で言いたいことが全部入っています。

質問の中身にも、ひとつだけ基準を。事実の確認(どこに住んでいるか、仕事は何か)は、プロフィールがすでに答えています。当日聞く価値があるのは、その先の感想や理由です。「お仕事は何を」より、「その仕事を選ばれたきっかけって何だったんですか。」事実の質問は面接に寄り、理由の質問は会話に寄ります。

そして、1時間で全部を聞き切ろうとしないことです。お見合いは「また会って話したいか」を確かめる場で、結婚観のすり合わせをする場ではありません。入口は2〜3個あれば足ります。後半は、前半に出た話を掘るほうが、新しい質問を繰り出すより会話になります。全部をその場で確認しようとする構えが、そもそも面接の構えです。

5. 当日のための小さな準備

やり方が分かっても、緊張した当日にゼロから組み立てるのは大変です。準備は2つで足ります。

一文で言える自分の話を、5つ用意しておく。 休日にしていること、最近うれしかったこと、仕事のやりがい、好きな食べ物、行ってみたい場所。それぞれ一文で言えるようにしておく。当日は、質問の前にこれを一つずつ置いていくだけです。

プロフィールから、重なる点を2〜3個拾っておく。 前の章のとおりです。紙に書く必要はありません。「旅行と、コーヒーと、犬」くらいの単語で頭に置いておけば十分です。

ありがちな失敗

  • 用意した質問リストを、上から順に全部使おうとする。リストは保険で、使い切るものではない
  • 先出しのつもりで、仕事の実績や年収の話を出す。開示するのは「人となり」で、スペックはプロフィールがもう伝えている
  • 相手の答えに、自分のもっと大きい話をかぶせる(「金沢ですか。私はヨーロッパを回ったことがあって」)。先出しは呼び水で、上書きではない
  • 沈黙を恐れて、間髪入れずに次の質問を出す。数秒の沈黙は、考えて答えてくれている時間でもある。沈黙への向き合い方は冒頭に挙げた会話の型の記事に書きました
  • うまくいかなかったお見合いを「話が合わなかった」で片づける。合う合わない以前に、情報の向きが一方通行だったかを振り返る

最後に

面接化の厄介なところは、本人の手応えと相手の印象がずれることです。ちゃんと聞けた、失礼もなかった、沈黙もなかった。仕事で磨いた聞き方が上手く出せたほど、手応えは良くなる。それなのに交際に進まない理由が、本人には見えません。

順番の失敗のいいところは、直したことが自分ですぐ分かることです。一文先に置いたとき、相手の答えが一文長くなる。その手応えは、その場で返ってきます。

正直に書くと、お見合いのお断りについて、詳しい理由まで伝わってくることは多くありません。相談所が隠すわけではなく、「フィーリングが合わなかった」といった形で伝わることが多いのです。

それでも、切り分けはできます。お見合いが成立している以上、写真とプロフィールは相手に届いて、通っています。それでも交際に進まなかったなら、原因は当日のどこかにある。写真と実物のギャップか、会話の中身か。この記事で書いた「情報の向き」は、その有力な候補の一つです。

当相談所では、お断りが続いたときに会員様へヒアリングをして、この切り分けを一緒にやっています。一人で反省会を続けると同じ場所を回りがちですが、構造から消していけば、次に変えるべき場所は絞れます。

これから婚活を始める方も、他社で活動していてお見合いが交際につながらない方も、まずは無料相談でお話を聞かせてください。これまでのお見合いでどんな会話をしてきたかを伺えば、どこで一方通行になっているかを具体的にお話しできます。そのうえで、当相談所でできることをご説明します。

よくある質問

Q. 口下手で、先に出せる「自分の話」が浮かびません。

A. 面白い話である必要はまったくありません。「私は休みの日、だいたい家にいるんですが」でも十分に役目を果たします。むしろ等身大の一文のほうが、相手も等身大で返しやすくなります。事前に5つ書き出しておけば、当日ひねり出す必要はなくなります。

Q. オンラインのお見合いでも、同じやり方でいいですか。

A. 同じです。むしろ画面越しは沈黙が重く感じられるぶん、質問を連射しやすくなります。先出しの価値は、対面より上がるとお考えください。

Q. 相手が質問してくれず、こちらばかり聞いています。

A. 緊張して質問できない方も多いので、すぐに脈なしと判断しないでください。先出しには、相手が乗りやすい足場を作る効果もあります。それでも最後まで一方通行だったなら、その感触はお見合い後の判断材料にして構いません。

Q. 話が盛り上がったのに、交際に進みませんでした。

A. 盛り上がりと交際の判断は、必ずしも一致しません。こちらが楽しく話せた時間が、相手には「聞き役の時間」だったこともあります。振り返るときの物差しは「盛り上がったか」より「相手は何割話していたか」です。半分近く話してもらえていたなら、会話の問題ではない可能性が高いです。

Q. 仕事の面談のクセが強くて、切り替えられる気がしません。

A. クセを消す必要はありません。ヒアリングが上手な方は、相手の話を整理して聞く力がもともと高い。足すのは「先に一文置く」の一動作だけです。面談で言えば、アイスブレイクで自分の話を少しする、あの動作をお見合いでは毎回やる、と考えてください。

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