「結婚相談所 禁止事項」と検索すると、上位に並ぶのはお泊まりと婚前交渉の話です。読めばたしかにそのとおりで、たいていは「まあ、そうだろうな」という感想で終わります。
ただ、相談所での活動で実際につまずきやすいのは、そこではありません。お泊まりは、するかしないかを自分で選べます。選べるものは、避けようと思えば避けられます。問題になりやすいのは、自覚のないまま踏んでしまう種類のルールのほうです。
たとえば、盛り上がった帰り道に出た「結婚しようか」というひと言。あるいは、いい関係のまま何となく続いた交際期間。このどちらも、IBJのルールでは「成婚とみなす」と定められています。相手と別れる話ではありません。相談所での活動が、そこで終わるという意味です。
この記事では、IBJの交際ルールを男性の目線で整理します。何が禁止で、何が「成婚扱い」になり、何がルールですらないのか。この3つを分けて書きます。
① 宿泊・宿泊をともなう旅行 ② 婚前交渉 ③ 「結婚しよう」の口約束 ④ 同棲 ⑤ 交際期間が通算6カ月を超えたとき
このほかに、成婚扱いにはならないが禁止されていること(金銭の授受・貸借など)と、ルールになっていないこと(食事・プレゼント・ご両親への挨拶の時期など)があります。
前提|これはIBJのルールで、すべての相談所に共通のルールではありません
先に、いちばん大事な断りを入れます。
結婚相談所には連盟(相談所どうしをつなぐネットワーク)がいくつもあり、交際のルールは連盟ごとに違います。当相談所が加盟しているのはIBJという国内最大級の連盟で、この記事に書くのはIBJのルールです。他の連盟に加盟している相談所で活動している方は、担当のカウンセラーに確認してください。
そしてもうひとつ。ルールは、相談所が独自に作っているものではありません。ここに書く内容は、IBJが「お見合いと交際のルール&マナー」として一般に公開しているページに載っています。会員でなくても読めます。私の説明を信じてください、という話ではありません。原文を自分で確かめられます。
そのうえで、相談所ごとの方針という層もあります。ルールの内側で、各相談所が「うちはこう案内します」と決めている部分です。この記事でも、IBJのルールと当相談所の方針は分けて書きます。
1. 「成婚とみなす」の意味|終わるのは交際ではなく、活動です
まず、この言葉の意味を押さえてください。ここは誤解されやすいところです。
IBJのルールでは、結婚・婚約、またはそれと同等の成果にあたる出来事があった場合、それを「成婚」とみなすと定めています。みなす、という言い方が独特ですが、要するに「二人の関係は結婚に向かって決着した」と扱う、ということです。
ここで起きることは、次のようになります。
- 成婚退会の手続きを行うことになる
- したがって、相談所での活動はそこで終わる
- 成婚料の支払いが発生する(金額や条件は相談所ごとに違います)
- 本人に成婚の意思があるかどうかは関係ない
最後の一行が肝心です。「まだ結婚するとは決めていません」と言っても、扱いは変わりません。事実があれば、そのように処理されます。
つまり、これは罰則の話ではありません。ルール違反をしたから退会させられる、という話ではありません。結婚に向かって決着した二人として卒業する扱いになる、というだけです。もっとも、本人たちにその気がなかった場合は、相談所を通じた出会いの機会をそこで失うことになります。損をするのはそこです。
2. 「成婚とみなす」とされているもの
IBJが例として挙げているのは、次の5つです。原文には「など」と付いていて、これがすべてという書き方はされていません。迷ったら担当カウンセラーに聞く、が前提になります。
宿泊と、宿泊をともなう旅行
二人で外泊した場合、そして宿泊をともなう旅行に行った場合が、これにあたります。
ここは書かれ方が二段になっています。まず、交際期間中の「旅行」そのものが禁止です。そのうえで、宿泊をともなう旅行は「成婚とみなす」対象にも入っていて、禁止と成婚扱いの両方がかかります。外泊そのものは、禁止事項の欄には出てきません。成婚とみなす側に書かれています。
では日帰りならいいのか、という疑問が残ります。書かれているのは旅行の禁止で、どこからが旅行にあたるかまでは示されていません。終電を逃す状況を作らないこと。日帰りでも遠出の予定を組むなら、先に担当カウンセラーへ確認するのが確実です。
婚前交渉
婚前交渉の事実が明らかになった場合も、意思の有無に関係なく成婚退会の手続きになります。
なぜここまで厳しいのか。IBJが理由を明記しているわけではありませんが、私はこう理解しています。相談所は、身元と独身であることを確認した人だけが登録している場所です。その前提で相手を信頼して会っている以上、体の関係を目的とした活動を持ち込ませない仕組みが要ります。ルールの目的は、あなたを縛ることではなく、あなたも相手も安心して会える場を保つことにあります。
「結婚しよう」の口約束
ここが、この記事でいちばんお伝えしたい項目です。
書面も指輪も要りません。口約束の時点で、成婚とみなす対象に入っています。 交際が順調で、気持ちが盛り上がった場面で出やすい言葉です。悪気はまったくない。それでも、ルールの上では区別されません。
避け方は簡単です。結婚の意思が固まったら、相手に言う前に担当カウンセラーへ伝える。そこから真剣交際、プロポーズ、成婚退会という順番で進みます。順番さえ守れば、気持ちを抑える必要はありません。
同棲
交際期間中に一緒に住み始めることは想定されていません。同棲も、成婚とみなす対象に入っています。
実際にこれを踏む方は多くないはずです。ただ、遠距離の相手と交際していて、週末ごとに相手の家に滞在するようになった、という状況は起こり得ます。宿泊の項目と重なるので、遠方の相手と交際する場合は、会い方を最初に担当カウンセラーと決めておくほうが安全です。
交際期間が通算6カ月を超えたとき
お見合い後の交際期間は、お見合い日から3カ月がルールです。この期間内に、成婚に進むのか、交際を終えるのかを決めます。延長したいときは、担当カウンセラーに相談したうえで手続きをします。
そして、延長して通算6カ月を過ぎた場合も、成婚とみなされます。
これも、自覚なく踏みやすいほうの項目です。関係が悪くないと、決めないまま時間が流れます。相手を嫌いになったわけではないから終わらせる理由もなく、かといって結婚を決めるほどの確信もない。その状態がいちばん長引きます。期限は、そこに区切りを入れるために置かれています。
3. 禁止だが、成婚扱いにはならないこと
「禁止」と「成婚とみなす」は、別のものです。ここを混ぜて覚えると、話がややこしくなります。
- 金銭の授受・貸借。交際中に、お金を渡す、貸す、借りることは禁止されています。プレゼントとお金は別のものと考えてください
- 交際終了後に、相手へ直接連絡すること。お断りの返事は担当カウンセラーを通じて行い、終了後は連絡先を削除します。直接連絡を取る行為は迷惑行為として扱われます
- 交際に進むと承諾したのに、正当な理由なく一度も会わずに終わらせること。所定のキャンセル料がかかります
いずれも成婚扱いにはなりませんが、活動を続けるうえで守る必要があります。
なお、ここまでは交際に入ってからの話です。その手前のお見合いの段階にも別の禁止事項があります。お見合いの席で当人同士が連絡先を交換すること(名刺交換も含みます)、会員のプロフィール情報を第三者に見せること、活動の状況や相手の印象をSNSやブログに書き込むこと。いずれも同じページに載っているので、一度通して読んでおくと安心です。
4. ルールになっていないこと
ここを知っておくと、必要以上に萎縮せずに済みます。
手をつなぐ、腕を組む。段階そのものに線は引かれていません。ただし記載がないわけではありません。初デートについては「良い雰囲気になったとしても無理やり手を繋いだりボディタッチをしたりするのはNG」と書かれています。なれなれしいボディータッチもマナー違反とされています。要するに、段階の話ではなく、相手が受け入れているかどうかの話です。相談所ごとに案内が違う部分でもあるので、迷ったら担当に確認してください。
日帰りのデート、食事、ドライブ。制限はありません。むしろ交際が成立したら、時間をあけずに初デートをすることが推奨されています。初デートの時間は2時間程度に抑えましょう、というのが目安として書かれています。
ご両親への挨拶。ルール上の定めはなく、進み方に合わせて決めます。当相談所では、真剣交際に入ってからご一緒に組み立てています。
プレゼント。禁止されているのは金銭のやり取りです。誕生日に贈り物をすることまで止められてはいません。高価すぎるものは相手に気を使わせますが、そこは常識の範囲で。
5. 予防の仕方が、項目によって違う
宿泊をともなう旅行、婚前交渉、同棲。この3つは、やろうと思わなければ起こりません。知っていれば、それで避けられます。
残る2つは性質が違います。「結婚しよう」の口約束と、通算6カ月の経過。どちらも、気持ちが良い方向に向かっているときに起きます。関係が良好で、順調で、悪いことなど何も起きていない。その状態のまま線を越えます。
だから、この2つは我慢では防げません。効くのは、進み方を担当カウンセラーと共有しておくことです。いま何カ月目か、相手とどこまで話が進んでいるか。それを伝えていれば、線に近づいた時点で声がかかります。
IBJシステムには、デートのあとに振り返りをレポートする仕組みがあります。面倒に感じる方もいますが、あれは相談所側が状況を把握するための仕掛けでもあります。書いておくと、こちらから「そろそろ決める時期です」と声をかけられます。
6. 当相談所が、仮交際は「2カ月」を目安にしている理由
用語をひとつ整理させてください。お見合いのあとに始まる交際が仮交際で、複数の相手と並行して会える段階です。そこから相手を一人に絞ると真剣交際になります。この記事でここまで「交際期間」と書いてきたのは、仮交際から真剣交際までを含んだ期間のことです。
IBJのルールでは、その期間の期限がお見合い日から3カ月。そのうえで、当相談所が会員様にお伝えしている目安は、仮交際は2カ月です。真剣交際に進むか、そこで終えるかを、2カ月のうちに決めましょう、という意味になります。
理由は、期限ぎりぎりで決めようとすると選択肢が減るからです。3カ月目に「やっぱり違った」となった場合、そこから次のお見合いを組み、また交際を始めることになります。年齢や活動できる期間を考えると、この1カ月の差は小さくありません。
デートの回数でいえば、4回から5回。ここまでで、真剣交際に進むかどうかの判断はだいたいつきます。判断がつかない場合、その状態自体が答えであることも多いです。
この2カ月という目安に沿って、当相談所では仮交際に入った時点で期限を逆算し、いつまでに何を決めるかを一緒に置いています。ルールを守らせるためというより、迷っている時間を短くするためです。ただしこれはルールではなく、あくまで当所の方針です。相談所によって指導は異なります。仮交際で終わってしまう男性への記事では、この期間の使い方をもう少し詳しく書いています。
ありがちな失敗
- ルールを、自分から相手に説明してしまう。 「これって成婚扱いになるらしいですよ」と交際中に切り出すのは、あまり良い空気になりません。ルールの管理は相談所の仕事です
- 相手がルールを知らないことに、その場で気づけない。 交際は二人でするものなので、片方だけが知っていても防げません。相手の様子で「知らないかもしれない」と思ったら、自分で説明せず担当カウンセラーへ伝えてください
- 良い報告だけをカウンセラーに伝える。 うまくいっていない話ほど、早く伝えたほうが手が打てます
- よその相談所の話を、自分にそのまま当てはめる。 連盟が違えば期間も扱いも変わります。読んだ記事がどこの話なのかを確認してください
最後に
ルールの話は、読んでいて楽しいものではありません。それでも整理して書いたのは、知らないまま活動している方が損をする構造になっているからです。
この記事に並べたのは、知っていれば、避けようと思わなくても自然に避けられることばかりです。そして、いちばん踏みやすい2つは、順調なときに起きます。だからこそ、順調なときほど担当カウンセラーに状況を共有しておく意味があります。
デート代の扱いについては結婚相談所のデート代は割り勘でいいのかの記事に書きました。
これから相談所を検討される方も、他社で活動していてルールをあらためて確認したい方も、無料相談でご質問ください。男性専門の結婚相談所として、当相談所が活動の全体像と、どこでつまずきやすいかをお話しします。
よくある質問
Q. 真剣交際に入れば、宿泊は認められますか。
A. 認められません。仮交際でも真剣交際でも扱いは同じで、成婚退会までは対象になります。真剣交際は交際相手を一人に絞った段階を指すもので、ルールの適用が変わる区分ではありません。
Q. 成婚退会したあとに破局した場合、どうなりますか。
A. 成婚料は戻りません。再び活動する場合は、あらためて相談所へ相談することになります。条件は相談所ごとに違うので、心配な方は入会前に確認しておくと安心です。
Q. 相手から「泊まっていかない?」と誘われたら、どう断ればいいですか。
A. 自分の意思として断るより、ルールを理由にするほうが角が立ちません。「相談所のルールで決まっているので」と伝えれば、相手も同じ立場です。断りにくい状況が続くようなら、担当カウンセラーに相談してください。
Q. ルールを破ったかどうかは、どうやって分かるのですか。
A. 相談所が監視しているわけでもありません。多くは、当事者のどちらかがカウンセラーに話すことで分かります。関係が良好なあいだは表面化しにくく、こじれたときに出てくる、という性質があります。なお「先に退会してしまえばいい」という抜け道も塞がれていて、報告のないまま退会し、活動中に知り合った相手と結婚した場合は、調査費用と成婚料に相当する額を支払うことになると定められています。
Q. 交際期間の延長は、何回までできますか。
A. 回数の定めは書かれていません。延長しても通算6カ月を超えると成婚とみなされるので、そこが実質の上限です。延長するときは、期限が来る前に担当カウンセラーへ相談してください。
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